宮越製砥株式会社 Miyagoshi Seito
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包丁と砥石

「砥石は矛盾のかたまり」

宮越清行
京都の砥石製造業の四代目。
家業を継ぎ、人造砥石を造って二十年余り。
研磨剤、結合剤の調合を工夫しながら自窯で砥石を焼く。
小規模経営の「しんどさ」を越え、その自由さに賭ける。

 人造砥石を造っていますが、うちのような製造業者はなかなか消費者の声が聞けないんです。ほとんど、業者の薦める一般的な無難なものを使っておられます。もう少し、自分の包丁や研ぎ方に合うものを選んだらいいのにというのが実感です。
 けど、中にはすごい料理人もいますよ。研いでいて、その砥石の組成も製法も知らないはずなのに、砥粒の形を当ててしまうような。手に伝わる感触で判るんだそうです。その方はうちに来られて、こういう感じのこういう砥石がほしいと注文されて、私も嬉しくなって、研磨剤と結合剤を調合したりしました。一丁や二丁では無理ですが、少しまとまれば自分だけの砥石を造ることは可能なんです。それができるのが人造砥石だと思います。

 今、作られている人造砥石は、大ざっぱに言えば折衷型。ほとんどのものが切れ味もよく、ある程度長切れするように研げて、研ぎ減りも少ないように作ってあります。大きなクレームはつかないけれど、抜群にいいとは言えない。実際、砥石っていうのは、研ぎやすくて、減りが少ないほうがいいなんていう矛盾のかたまりみたいなもんですから。
 それでもちょっと気をつけていただけば、持ち味が少しずつ違うことがわかります。たとえば炭化ケイ素系では早く刃がつき、アルミナ系はやや柔らかい研ぎ味がするとか、ビトリファイド製で高温で焼いたものは磁器のように硬いので丈夫で長持ちするが、ガラス質で研磨剤を抱いているので潰れにくいとか、中温で焼いたものは土器のようで柔らかめだとか、それぞれ個性があります。研ぎ味はいいけれど錆の出やすい砥石もあるんです。

 私としては、人造だから、安いからまあいいかと思わず、人造だから自由に選べると考えて、切れ味を追求する一つの要素として砥石の善し悪しを考えていただきたい。そして自分に合うものを見分けてほしい。
 それに、包丁は直接食品と出会うので、成分的にも安全なものでないといけません。人造の場合は、人工的な化学物質ですから、研ぎ終わったら十分に水洗いをしてください。
  研ぐという作業は、砥石を通じて精神を集中し、刃物に「気」を込めるという性格を持っています。精神論めきますが、よい料理を仕上げるためには、砥石を選ぶ段階から「気」を込めていただきたいと思います。

●お奨めの組み合わせ
荒砥 炭化ケイ素系。ビトリファイド高温焼成の柔らか目のもの。#180〜220
中砥アルミナ系#600〜1000
仕上げ砥アルミナ系#2000〜3000

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